ドルコスト平均法ってなに?

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ドルコスト平均法:投資初心者にも優しい投資戦略

はじめに

投資の世界は複雑で、特に初心者にとっては敷居が高く感じられるかもしれません。しかし、投資の成功においてはシンプルな戦略が大いに役立ちます。その一つが「ドルコスト平均法(DCA)」です。この投稿では、ドルコスト平均法の基本概念、メリット、デメリット、実際の運用方法について詳しく解説します。

ドルコスト平均法とは?

 ドルコスト平均法(Dollar-Cost Averaging)は、定期的に一定額を投資する手法です。この方法では市場のタイミングを計ることなく、あらかじめ決めておいた一定の間隔で一定の金額を投資することが基本で、その手軽さから投資初心者にも優しい投資戦略と言われています。

具体例

 具体的な例として、市場価格が以下のように変動する株式Aに対して、1月に12万円全額投資した場合と、毎月1万円づつ12ヶ月で12万円投資投資した場合を比較します。

株式A株価の値動き

  • 1月: 1000円
  • 2月: 800円
  • 3月: 1200円
  • 4月: 1050円
  • 5月: 900円
  • 6月: 950円
  • 7月: 1050円
  • 8月: 1200円
  • 9月: 1100円
  • 10月: 900円
  • 11月: 950円
  • 12月: 1050円

1月に12万円全額投資した場合

  • 投資時の株価: 1000円
  • 購入株数: 120,000円 ÷ 1000円 = 120株
  • 12月の株価: 1050円
  • 投資評価額: 120株 × 1050円 = 126,000円

毎月1万円ずつ12ヶ月積立投資した場合

各月の投資による投資時の株価と購入株数は、

  • 1月: 1万円 ÷ 1000円 = 10株
  • 2月: 1万円 ÷ 800円 = 12.5株
  • 3月: 1万円 ÷ 1200円 = 8.33株
  • 4月: 1万円 ÷ 1050円 = 9.52株
  • 5月: 1万円 ÷ 900円 = 11.11株
  • 6月: 1万円 ÷ 950円 = 10.53株
  • 7月: 1万円 ÷ 1050円 = 9.52株
  • 8月: 1万円 ÷ 1200円 = 8.33株
  • 9月: 1万円 ÷ 1100円 = 9.09株
  • 10月: 1万円 ÷ 900円 = 11.11株
  • 11月: 1万円 ÷ 950円 = 10.53株
  • 12月: 1万円 ÷ 1050円 = 9.52株

合計購入株数は、

  • 合計株数: 10 + 12.5 + 8.33 + 9.52 + 11.11 + 10.53 + 9.52 + 8.33 + 9.09 + 11.11 + 10.53 + 9.52 = 129.59株

12月の株価で評価額を計算すると、

  • 投資評価額: 129.59株 × 1050円 = 136,069.5円

投資している総額どちらも12ヶ月で12万円と同じなのですが、このシナリオでは毎月1万円ずつ積立投資した場合の方が1月に全額投資した場合よりも最終的に資産は10,069.5円も高くなる結果となりました。これはドルコスト平均法を使うことで、安い時には多く買って高い時には少なく買うことができた結果です。
 とは言え全ての場合でドルコスト平均法で投資した方が利益が大きいわけではなく、例えば1月から12月まで株価が上昇し続けていた場合などは1月に全額投資していた方が利益は大きくなりますので、あくまでリスク管理という観点で考えておいた方が良いでしょう。

メリット

リスク分散

 ドルコスト平均法の最も大きなメリットの一つは、リスク分散効果です。一度に全額を投資する場合、購入した時点の価格が高ければそれだけ損失のリスクが高まります。しかし、ドルコスト平均法では、一定期間にわたって定期的に同じ金額を投資するため、市場が上下する中での購入価格が平均化され高値で一度に大量購入するリスクを回避できます

感情的な判断による損失の回避

 市場の動きを予測することは非常に難しく、タイミングを計る投資は投資初心者にとって特に難しいでしょう。ドルコスト平均法では、決まったルールに従って投資を続けるだけなので感情的な判断を避けることができます。

資金管理のしやすさ

 ドルコスト平均法は資金管理という点からも単純に考えることができます。毎月の投資金額をあらかじめ決めることで、予算の範囲内で計画的に資金を運用できます。例えば、毎月の給料から一定額を投資に回すことで無理なく資産形成を進められるでしょう。

 さらに、この方法は計画的な貯蓄にも役立ちます。投資金額が毎月固定されているため、他の出費とのバランスを取りやすくなります。また、自動積立設定を利用することで、手間をかけずに継続的な投資が可能です。証券会社の自動積立機能を活用することで、毎月指定した日に自動的に投資が行われるため、忘れずに投資を続けることができます

デメリット

  1. 上昇相場でのパフォーマンス劣化: 市場が長期間にわたって上昇し続ける場合、ドルコスト平均法は一度に投資するよりもリターンが低くなる可能性があります。もちろん市場が上昇し続けるということはプラスにはなっているので資産が減っているわけではありませんが、上昇相場では一度に大きく投資した方が利益が大きくなることが多いため、比較した時には少し損した気持ちになってしまう可能性はあるでしょう。
  2. 手数料の負担: 毎回の投資に対して手数料が発生する場合、その手数料が積み重なることで、一度に全額投資するときよりも全体のリターンが減少する可能性があります。そのため、手数料などはなるべく低コストの投資先を選ぶことが重要です。

実際の運用方法

  1. 投資金額と期間を決定: まずは毎月(必ずしも月毎である必要はありません)いくら投資するか、どのくらいの期間続けるかを決めましょう。一般的にドルコスト平均法では長期的な視点での投資が推奨されます。
  2. 投資先の選定: 株式、投資信託、ETFなど、自分の投資目標に合った資産を選びます。分散投資を考慮して、複数の投資先に分けることも検討しましょう。
  3. 自動積立設定: 多くの証券会社では、自動積立の設定が可能です。毎月自動的に指定した金額が投資に回るよう設定しておけば、手間をかけずにドルコスト平均法を実践できますので積極的に活用していきましょう。

まとめ

 ドルコスト平均法は、投資初心者にとって非常に有用な戦略です。リスク分散や感情的な判断を避けることができるため、安心して長期的な投資を続けることができます。ただし、必ず儲かるというとし方法ではなく、他の投資方法と同じくもちろん資産が減少する可能性はありますし、上昇相場でのリターンが低くなる可能性や手数料の問題にも注意が必要です。自分の投資目標やリスク許容度を考慮し、適切な投資計画を立てましょう。

 ドルコスト平均法を活用することで、投資の一歩を踏み出し、資産形成の道を歩んでいきましょう。特に初心者にとっては長期的な視点でコツコツと投資を続けることが成功への近道となるでしょう。

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